まとめ

2012.09.12 WED 00:12:26   通報する

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米プロデューサー/アレンジャー、ロビー・ブキャナン・ワークス

出典:www.bluedesert.dk/images/bu...

今回クローズ・アップするのはヴァンクーヴァーに生まれ、1970年代後半からL.A.のスタジオ・シーンで活躍するキーボーディスト、ロビー・ブキャナン。個人的には、デヴィッド・フォスターよりもお気に入りのアーティストで、細部の細部にまで拘った音使いは特に自身がアレンジも手掛けるトラックで最大限に発揮される。マイケル・ランドウジェイ・グラスカらと結成していたグループ:マクサスのアルバムでのプレイでも十二分な才能を感じ取れるが、ヒット曲の伴奏の、これも、あれも、彼によるもだった、という部分をアピールしながら、音楽的なセンスの違いを感じ取れる10曲をここにセレクト。

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中田利樹ライター、ラジオDJ、選曲家、インディ・レーベル:COOL SOUNDオーナー、作曲....な…

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QUINCY JONES feat. JAMES INGRAM "Just Once"

前半はヒット・バラードにおけるメロディアスなピアノ・プレイをお楽しみ頂きたい。これは御大クインシーの1981年のベスト・セラー『The Dude(愛のコリーダ)』に収められていた名曲だが、ここでは、デヴィッド・フォスターロビーの2人がアコースティック・ピアノを演奏している。つまり、御大ですらどちらを採用するか決断できず、結果、イントロは誰々、歌のバックはどっち、という風に使い分け、2人の演奏を両方採用した。

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LAURA BRANIGAN "How Am I Supposed To Live Without You"

作者であるマイケル・ボルトンが後にセルフ・カヴァーし1990年に全米No.1に輝いたこの曲は、1983年にローラ・ブラニガンがレコーディングし全米12位、Adult ContemporaryではNo.1というスマッシュ・ヒットを記録している。ここでのキーボードがロビー・ブキャナンで、彼はアルバム全体のアソシエイト・プロデューサーとも表記されている(メインのプロデューサーはジャック・ホワイト。因みに、ギター・ソロはマクサスの同朋マイケル・ランドウ)。また、この曲を含むアルバム『Branigan 2』に収められた「Close Enough」という曲はロビーの作曲で、音楽的に非常にレヴェルの高い作りになっている。こちらも必聴。

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LAURA BRANIGAN "Close Enough"

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SERGIO MENDES "Never Gonna Let You Go"

1960年代に自身のグループ、ブラジル66を率いて大ブレイクしたブラジルのアーティスト:セルジオ・メンデスは1983年にソロ名義でA&Mからアルバムを発表。これがいわゆるL.A.産アダルト・コンテンポラリーの名盤に仕上がり、80年代もセルメン健在なり!を訴えることになる。そしてその足掛かりとなったこの名バラードでアレンジ&プレイしているのがロビー・ブキャナンだ。バリー・マンシンシア・ワイル作による、シンプルそうで実はかなり展開の多い難曲を見事なセンスでまとめ上げている。

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GEORGE BENSON "Nothing's Gonna Change My Love For You"

後にグレン・メデイロスがカヴァーしスマッシュ・ヒットさせるこの曲は、バラードの名手マイケル・マッサーが作曲し、このジョージ・ベンソンが最初にレコーディングしたナンバーだ。ここでも、アレンジとキーボードを担当しているのがロビー・ブキャナンで、イントロの音使いから一切の無駄がなくとにかく流麗に奏でる、一種の美学が堪能できる。因みに、マイケル・マッサーと言えば、ホィットニー・ヒューストンのデビュー・アルバムでも「Saving All My Love For You」「The Greatest Love Of All」他、素晴らしいバラードを何曲も提供しているが、そこでもやはりロビー・ブキャナンを"伴奏家"として巧みに起用している。

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MAURICE WHITE "I Need You"

そしてこの曲のアレンジ&キーボードもロビー。しかも、アース・ウィンド&ファイアーの総帥:モーリス・ホワイトからコ・プロデューサーのクレジットも与えられている。全米チャートでは最高95位とあまりに低い結果で終わっているが、日本では大ブレイクし、各種コンピ盤から引っ張りだこになっているのは改めて言うまでもないだろう。因みに、この曲を含むアルバム『Maurice White』におけるロビーの活躍は特筆もので、甘いバラードのみならず打ち込みやシンセを前面に出したアップ・チューンでも彼ならではの独創的な音楽性を堪能できる。中でも、ロビー、モーリス、そしてダイアン・ウォーレンの3人で共作した「Believe In Magic」はアースらしさにモダンな色合いを施した名トラックだ。

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MAURICE WHITE "Believe in Magic"

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MAXUS "Where Were You"

ここからは、コンポーザー/シンセ・プレイヤーとしての魅力もお届けしたい。まずは、ロビーが在籍したスーパー・グループ:マクサスのナンバーから。マクサスは1981年にセルフ・タイトル作品を1枚発表し解散してしまうが(個々のメンバーがスタジオ・ミュージシャンとして多忙になってしまったため)、アルバムの曲はどれも素晴らしいキーボード&ギター・プレイに溢れ、個性的なコード進行と完璧なアンサンブルは今なお全く色褪せていないと確信する。因みに、グループ結成の少し前にロビーはベット・ミドラー主演の映画「Rose」でベットのバック・バンドのメンバーとして映画に出演し、プレイしている。マクサスのベーシスト:マーク・レナードはその時の仲間だ。

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CHARLIE DORE "Wise To The Lines"

英国人女性シンガー&ソングライター、チャーリー・ドアが1981年に発表したアルバム『Listen!』はバックの演奏の約9割がロビースティーヴ・ルカサー(ギター)、ジェフ・ポーカロ(ドラムス)、マイク・ポーカロ(ベース)の4人だけで作られており、中でも3曲をチャーリーと共作するなど、ロビー・ブキャナンの音楽性がかなり反映された作品になっている。特にこの曲のコードとメロディはロビーならではのもので、曲を書いたり楽器をプレイする人ならば、この絶妙のセンスに舌を巻くことは間違いないだろう。ジェフのタイコも見事に弾み、なんとも気持ちが良い。

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DUSTY SPRINGFIELD "Time And Time Again"

個人的には、ロビー・ブキャナンの書いたバラードの中で最も気に入っている1曲。後にカヴァーしたマリーンのヴァージョンもヴォーカルが素晴らしいが、やはりここでは大先輩に敬意を表し1982年のアルバム『White Heat』に収められていたこちらを紹介させて頂こう。マクサスジェイ・グラスカとの共作で、2人の高度な音楽性が一種の"極み"に達した作品と呼べるのではないだろうか。ロビーは同じメロディの繰り返しを転調の連続によってどんどん展開させて行く手法を好むが、まさにこの曲がそのお手本で、コードを分析すれば彼の世界に引きずり込まれることは間違いないはずだ。

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SADAO WATANABE feat. PATTI AUSTIN "Any Other Fool"

ロビー・ブキャナン渡辺貞夫の1980年代終盤から90年代初頭のアルバム3枚でプロデュースに関わり、実力派ヴォーカリストをゲストに迎えたトラックで素晴らしい結果を残している。この曲はそのうちの2作目『Front Seat』(1989年)に収められたロビーとダイアン・ウォーレンの共作曲で、1990年にAdult Contemporaryで最高6位まで上がっている。なお、続くアルバム『Sweet Deal』(1991年)には今は亡き名シンガー:ウォーレン・ウイービーをフィーチャーした名曲「Only Love」が収められている。ここでのロビーの仕事も見事の一語。

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SADAO WATANABE "Only Love"

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SCRITTI POLITTI "Wood Beez(Pray Like Aretha Franklin)"

最後は、こんな曲にもロビー・ブキャナンが関わっていた、ということでセレクトしてみた。1985年の2ndアルバム『Cupid & Psyche 85』でロック&ポップ・ファンからなんとマイルス・デイヴィスまでも魅了してしまった英国のグループ:スクリッティ・ポリッティのヒット・チューン。グループのキーボーディスト:デヴィッド・ギャムソンも非常に有能なアーティストなのだが、アメリカ進出を目論んで(?)、御大アリフ・マーディンにプロデュースを依頼したことからレコーディングにはアメリカの名手がいろいろと参加。N.Y.からザ・システムデヴィッド・フランク、そして、L.A.からロビー・ブキャナンという名キーボーディストがこの名作に絶妙の味付けを施している。他にも、マーカス・ミラー(ベース)、ポール・ジャクソンJr.(ギター)、スティーヴ・フェローニ(ドラムス)など、とにかく名手が揃ったアルバムだ。

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